グーフィー (Goofy)の介護日記

お袋がアルツハイマーと診断されてから

生涯スポーツ

グーフィーが逝って、婆さんが施設に入った、介護日記として開設したブログだが………ハッキリ言って書くことが無くなった。

これからは50代のオッさんと老齢に入ったワンコ(♀)の日常を記するブログとしよう!

オイラの職場に70手前の爺さんがいる。年金を貰いながらの小遣い稼ぎだ!オイラの職種は土日祝が忙しい、基本的に公休は平日である。

この爺さんがゴルフ大好きなのだ!月に5,6回はコースに出ている。何故わかるかというと、休みの前日仕事中にコースに予約の電話をするのだ。そして業務指示書の余白に「9:45 OUT スタート」などと書き込むのである。

自己流らしいがパーシモンの頃から50年続けている、かなりの腕前のようだ。ドライバーは240ヤード飛ばすし、調子が良ければ1ラウンド70台でまわるようだ。空いていれば1ラウンドとハーフをまわってくる。

180cm/90kgもあろうかという大男だが天然でボケてる可愛い爺さんだ!たまに「来週の水曜日代わってくれる?」などと言ってくる。コンペか?

オイラはこんな爺さんを羨ましく思っていた。生涯に渡って楽しんでいるスポーツがあるということが、どんなに人生に潤いを与えているだろうか?そしてオイラもそんな生涯スポーツを楽しみたいと思うようになった。

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日向ぼっこをするナビィ。暑いのを極限まで我慢し、我慢ならなくなると部屋に戻ってハァハァ言っている。

入れ歯

先日、施設から「事故報告」の連絡があった。入れ歯をせずに朝食を食ったという。幸い歯茎を傷付けることもなかったらしい。そんなことは勝手にやらせておけ!

朝食のおかずが何だったのかまでは確認していないが、今朝のご飯は固いわね!なんて思ったくらいが関の山だ。

またKFC買って持って行ってやるか!?さすがにチキンは入れ歯しないと食えないぞ!

帰宅願望

3月の後半から仕事がバタバタしていて、ブログも4月は一件も投稿できなかった。婆さんに会いに行くのも、やっとゴールデンウイーク前に行ったくらいだ。

婆さんはと言えば、施設の居心地がいいらしく呑気に暮らしているようだ。入所したころはテーブルの隅っこからテレビを覗くように観ていたが、今ではテレビのまん前に椅子を設えて鑑賞している。まるでテレビを独占するお局様だ。

食事の時間は決まっていなくて、好きな時間に食べているという。だが、共同のテレビは時間が決まっている。夜になってテレビが消されると、トボトボと廊下を行き来しているという。スタッフが「部屋にテレビを持ってきてあげたら!?」と言うが、そんなことしたら部屋に閉じ籠ってしまうだろう。どうするか思案中である。

在宅介護のときはショートステイでさえ帰宅願望が強く手を焼いたが、今じゃオイラが「また来るわ、じゃあな!」と言っても「はいよ、またね!」なんて言って、家に帰りたい素振りをまったく見せない。良いんだか、悪いんだか?

スタッフが「庭に出て散歩しましょう?」と声を掛けると「夕方に犬の散歩をするから、今はいい」と言うらしい。まだそんなことを言っているのか?

オドメーター

先日、仕事場の車に乗り込んだ時「おっ!」と思った。都合良く信号に引っ掛かりパシャ!次は7のぞろ目だな。一人で乗っている車両じゃないので、オイラが乗車しているかどうかわからんが…。一日100~200km走るので、7万キロになるのは夏前くらいかな!

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話は変わるが、片側二車線の第一車線を走行していたときのことだ。前を走るのはベンツだ。交差点でベンツは右折車線に入った。その横をすり抜けようとした瞬間、ベンツが車線半分くらい左のオイラの方へ膨らんだ。左車線に車が居なかったから避けられたが、車が居たらどっちかにぶつかっていたゾ。前しか見ていない自己中の間抜けな野郎だ!男か女かわからんが、交差点でUターンして行きよった。広々2車線有るんだから、乗用車ごときは大回りしなくてもUターンできるわい。下手糞ッ!

どちら様?

先週、そろそろ暖かくなってきたので春物の衣類を持っていってきた。先々週のインフルエンザは陰性だった。

 荷物を運び込むため部屋に入ると婆さんがいた。いつもは食堂でテレビなんぞを観ているのだが、この日は部屋の電気もつけずに服の整理をしていた。

荷物を置いて「どうだ調子は?」と声を掛けると「どこかでお見掛けしたような……どちら様?」などと言い出した。

オイラが首からぶら下げている面会者用の名札をシゲシゲと見て「南○苑?」と自分が今いる施設の名前もわかっていない。

特養に入る前からケアマネージャには”特養に入所すると認知症が早く進みます”と言われてはいたが、まだ一月も経っていないのにこの有様である。叔母と伯父に話すとガックリしていた。

スタッフがフライドチキンを喜んで食べていたと話してくれた。良かったな婆さん!月に一回くらいは買ってきてやろう。

インフルエンザ?

今週は仕事が立て込んでいてホームには行けていなかった。先週の木曜日にケンタッキーフライドチキンを差し入れに持って行ったのが最後だ。なので今週は金曜日に様子を見に行ってみるかと思っていた。

ところが木曜の夕方にホームから電話があり、昼過ぎから39度の熱を出し寝かせているところだと連絡があった。インフルエンザかもしれないので面談は控えて欲しいということだ。

今日金曜日にインフルエンザの検査結果が出る予定だ。

めったに発熱などしない婆さんだが、巷のインフルエンザ感染ピークの今になって発熱とは………、知恵熱じゃねぇのか?

一人と一匹の生活

婆さんが特養に入所して一週間が過ぎた。入所日(水曜日)から日用品などを運び込んでいるが、ロードスターでは一度に積める荷物はたかが知れてる。入所日に足らなかった衣類やタオルなどを金曜日に持って行った。入所日には緊張してキョドッていた婆さんだが、3日目にして落ち着いて過ごしている様子だった。

そして昨日月曜日にまた欲しいものをスタッフに言われて持って行った。このときは3段引出の衣装ケースを運んだ。ロードスターではこれが限界だ。ここの施設は「暮らしの継続」を謳っている。生活用品は食器から何からすべて今まで家で使っていた物を使用する。箪笥などの家具も持って来いという。なかには仏壇を持ち込んでいる入居者もいると言う。

自宅から施設まで15,6km、30分程かかる。毎日は無理だが、一週間に2回は様子を見に行ってみよう。といっても様子を伺うだけだ。顔を合わすと帰宅願望が出てくるだろう。しばらくはそっとしておく。婆さんにとってはそこが終の棲家になるのだ。看取りをすること、延命処置はしないことなどサインしてある。

二人と二匹だったこの家も12月22日に一匹が逝き、2月10日に一人が巣立った。次々といなくなり、とうとう一人と一匹になってしまった。3年間よく頑張ったね!と言われるが、過ぎてしまえば短いものだ。まだまだこれからだよ!とも言われている。

そういえばグーフィーが死んだことを婆さんは未だに気付いていない。もう少し時間が経てばグーフィーが居たことさえ忘れてしまうだろう。