白髪
ちょっとお見苦しい画像を…。ソファーに腰掛けチラシを見ているお袋の脳天だ!ご覧の通り頭皮が透けて見えるほどに髪は薄くなり、白髪に多少黒いところが残っている程度だ。真っ黒い毛は一本もない。
この年齢の頭髪はこんなもんだろう。以前は気にしていたようで、部分的なかつらを使っていたようだし、白髪染めもしていたようだ。でももう手遅れだ!これに黒いかつらをつけたら間抜けだ。
ちょっと前にこんな会話をした。お袋が自分の顔をマジマジと見て一言、あんたも白髪が増えたねぇ!
自分ももう50を過ぎた。白髪があるのも普通だろう。気にしたこともない。親父のように禿げにならなかったぶんお慰みだ。
そのあとの一言にブッ倒れるかと思った。
あたしゃ白髪はほとんどないよ!
言葉が出てこなかった。本気でそんなこと思っているのか?それとも老いた自分を受け入れられなくて、そんなことを言うのか!?
そう言えば、お袋は耳が遠くなっているのも受け入れられないようだ。ちょっと離れて会話をすると、お袋には聞こえ辛くなる。それを聞こえないのは自分の喋り方が悪いと怒り出す。ゴニョゴニョ喋るから聞こえないんだよ!ってな具合だ。
風呂が沸いたときのピーッピーッという電子音が聞こえない。だが夜テレビもつけずにいると、たまに聞こえるときがある。そういうときは勝ち誇ったように、あたしゃ耳はちゃんと聞こえているよ!となる。
認知症についてもそうだ!普段言い訳のように、あたしは認知症だからね!なんて言っている。しかしいざ病院へ連れて行こうとすると、ちょっと物忘れがあるだけだ!認知症じゃない、と言って病院へ行くのをグズる。病院へ連れて行くのにも一苦労なのだ。
一度あまりにも腹が立って、あんたの認知症は自称じゃなくて医者も役所も認知症だと認めているんだからな!と言ったことがある。介護保険証見せてやろうか!?で渋々病院へ行く支度を始めた。老いては子に従え、か?とか捨て台詞を吐いて。